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第二十五回 労働安全衛生と化学物質管理

日本ケミカルデータベース株式会社
コンサルタント 北村 卓

有害物ばく露作業報告制度

平成18年に「有害物ばく露作業報告制度」が新設されました。これは、化学物質管理が十分とは言いがたい現状に対して、化学物質を使用する作業内容、従事労働者数、密閉系での使用等の有害物ぱく露作業の報告を事業者に求め、その結果から国が独自にリスク評価を行うものです。厚生労働大臣が定める物質のガス、蒸気又は粉じんにばく露するおそれのある作業に従事させたときは、事業者は当該物質のばく露の防止に関し必要な事項について、所轄労働基準監督署長に報告しなければならないこととされました。

ばく露作業報告対象物は、原則としてSDSの交付が義務付けられている安衛法で名称公示した通知対象物から厚生労働大臣が定めることとしたので、事業者は対象物質の有害性をSDSから知ることができます。

初年度の平成18年度は5物質が指定され、その後は毎年厚生労働省告示(平成18年告示第25号)の改正として物質が指定されますが、年によって対象物質もその数も変わります。ばく露作業報告書は、製造・取り扱った対象化学物質の量が500 kg以上になった事業場から労働基準監督署長に提出することになっています。

平成18年の5物質は、IARCで1または2Aの発がん性の物質から選ばれましたが、平成20年にはEUの1または2の発がん物質が、平成21年には許容濃度が決められているもの、平成22年では、生殖毒性1・神経毒性1・不可逆性障害を懸念される物質に対象が拡張され、平成24年はがん原性物質・芳香族アミン・ナノマテリアルが指定されました。

ばく露対象物の名称・用途・ばく露作業の種類、年間製造・取扱量、作業一回当たりの製造・取扱量、物理的性状、取扱温度、発散抑制措置の状況、ばく露作業従事者数、1日あたりの作業時間が報告事項ですが、どれも指定されたコードや区分の記号が割り振られています。SDSから対象物質の名称と混合物中の組成を知ることができれば、難しい作業とはならないでしょう。

事業者は報告書を作成するために取扱の実態を把握するのですから、国のリスク評価結果を待つまでも無く好ましくない状態と思われれば、早急に対策をとることが望まれます。報告事項はどれも前々回に記した「リスクアセスメント」で示した入力項目ですので、事業者自身も対象作業場のリスクアセスメントができます。
この制度を活用して国が行うリスク評価の概要は次のとおりです。

(1)有害性の種類及びその程度の把握
文献から把握された有害性の種類と程度やGHSの有害性に係るクラス(有害性の種類)と区分(有害性の程度)を考慮して対象物質を国が定めます。
(2)量一反応関係等の把握
主要文献から対象物質等に係る量一反応関係、ばく露限界等を把握します。
(3)ばく露状況の把握
事業者からの有害物ばく露作業報告から、取扱い作業で高リスクと推定されるものを把握して、リスクが高いと推定される事業場で、作業環境の測定、個人ばく露濃度の測定等を行いばく露レベルを把握します。
(4)リスクの判定
ばく露レベルとばく露限界又は無毒性量等との比較によりリスクを判定します。

国のリスク評価結果は、リスク評価書(16種)、初期リスク評価書(54種)、詳細リスク評価書(20種)で公表されています。一部は有害性の評価のみに留まっていますが、これからもさらにばく露を考慮したリスクの評価結果が続いて出てくるでしょう。リスク評価書には、1. 物理化学的性質、2.有害性評価、3.ばく露評価の結果などが記されていますが、1と2はリスク評価書の公開前でもSDS等から知ることができるので、実際に取扱っている事業者には、ばく露評価結果が適切な管理の参考となります。(3)のばく露状況の把握で、国がばく露濃度の測定からリスク評価を行うのは、ばく露濃度が高いことが予想される事業場ですが、対象とならなかったばく露濃度がそれほど高くない事業場もリスクが無いわけではないので、公表された評価書から自らの取扱実態に即したばく露防止の対策を検討する必要があるでしょう。

対象の化学物質は特化則などの特別規則の対象となっていないものが選ばれますが、この制度がはじまってからエチルベンゼンなどの13物質が特化則の対象物質となりました。物質の種類に限らず作業者がばく露されないように日頃から適切な管理が必要であることは勿論ですが、有害性の高い物質が制度の対象となりますので、対象物質となった段階で改めて取扱方法の改善を考えることが必要でしょう。

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