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第二十三回 労働安全衛生と化学物質管理

日本ケミカルデータベース株式会社
コンサルタント 北村 卓

化学物質のリスクアセスメント (4) リスクアセスメントの手法(2)

前回に引き続き、リスクアセスメント手法について解説いたします。

2. 定性的な評価(1)

作業環境測定値がない場合は、定性的な評価としてばく露評価に物質の使用量や揮発性・飛散性を用います。パンフレットでは作業方法(作業者の汚れ)を評価の修正ポイントとする方法が示されています。

  1. ばく露評価(EL)
    1. 推定作業環境濃度レベル(EWL)を求める
      取扱い量ポイント(3~1の三段階)、揮発性・飛散性ポイント(3~1の三段階)、修正(作業着の汚れ)ポイント(0または1の二段階)を合計し、推定作業環境濃度レベル(EWL)(e~aの五段階)を求めます。
      EWL = 取扱量ポイント + 揮発性・飛散性ポイント + 修正ポイント
      取扱量ポイントは1日または1バッチ単位で液体では体積を、粉体は重量単位です。揮発性・飛散性は、物質の沸点(液体)または形状(粉体)でポイントをつけます。
  2. 作業時間・作業頻度レベル(FL)の評価
    FLの評価(ⅴ~ⅰの五段階)は先に記した定量的評価の場合と同じです。
    ばく露評価は、EWLとFLのマトリクスからばく露レベル(EL; 5~1)を求めます。
    パンフレットにはありませんが、換気の効果をポイント(3~0の四段階)として用いる方法もあります。取扱量、揮発性飛散性、作業方法によるポイントから換気の効果を引いて作業環境レベル(ML)を求め、MLとFLのマトリクスからばく露レベル(EL)を求めます。このときのMLは、換気の効果を入れない方法とはポイントの区分値が異なります。
    なお、作業環境測定値を用いた定量的な方法では、既に作業環境測定値として反映されているものとして、換気の効果を算入することはしません。
  3. リスクの決定
    ELとHLのマトリクスからリスクレベル(RL)を求める方法は定量的な方法と同じで、RLの意味と求められる対策は、定量的方法と同じです。

コントロールバンディングによる方法

これまでは、作業環境レベル(WL)の見積りに、取扱い量、揮発性・飛散性、修正ポイントの加減算を行う方法を紹介しましたが、コントロールバンディングでは、取扱い量、揮発性・飛散性とハザードレベルを使い、取扱い量を三段階、揮発性。飛散性を三段階、ハザードレベルを五段階に区分して三元のマトリクスでリスクレベルが評価されます。
二次元的に整理すると以下のようになります。

取扱い量低揮発・飛散性中揮発性中飛散性高揮発・飛散性
ハザードグループ A
少量(mL)1111
中量(L)1112
大量(kL)1122
ハザードグループ B
少量(mL)1111
中量(L)1222
大量(kL)1233
ハザードグループ C
少量(mL)1212
中量(L)2333
大量(kL)2444
ハザードグループ D
少量(mL)2323
中量(L)3444
大量(kL)3444
ハザードグループ E
4
  • コントロールバンディングは、1999年に英国のHSE(安全衛生庁)が提案し、その後ILOもこの考え方を取り入れてtoolkitを公表しました。厚生労働省の支援ページでは、この方法によるリスク評価が行われます。これは入力パラメータが少ないこともあり、他の手法に比べると精度が劣っていることや、必要以上に安全サイドに立った評価結果となることが指摘されていますが、使い易いのでリスクアセスメントに慣れて作業環境の改善につなげる入門的な手法としての意味はあるでしょう。

リスクアセスメントの使い方

今回は、代表的なリスクアセスメントの手法の概要を記しました。リスクアセスメントの過程では、化学品とその取扱い実態を正しく把握することが重要です。コントロールバンディングだけでなく、どの手法を用いても、入力項目、特に化学品の種類(とそのハザード)とその使用量を変えなければ、リスクレベルはそれほど大きくかわるものではありません。
そのため、リスクアセスメントを行えば、リスクレベル低減に有効な対策が見つかるとは限りません。しかし、ここに記したような手法を用いながら、化学品を取扱う作業者は常にリスクと直面していることを改めて認識し、機会をとらえて許容可能なレベルまでリスクを低減させる契機とすれば、リスクアセスメントは有効な危機管理手段とすることができます。
今回は労働現場での作業者の健康障害に関わるリスク評価手法の紹介ですが、パラメーターの選び方を変えれば、火災・爆発などの危険性を考慮したリスクアセスメントや化学品に起因する環境リスクも、同様の考え方で評価できます。

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