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第十六回 労働安全衛生と化学物質管理

日本ケミカルデータベース株式会社
コンサルタント 北村 卓

化学物質管理指針

具体的な化学物質名称を挙げた労働安全衛生法の規制を見てきましたが、ここからは化学物質(化学品)の一般的な取扱いに関する指針を考えます。労働安全衛生法の規制の多くは取扱いに関するもので、その背景には化学物質を危険有害性(ハザード)の有無で区分するのではなく、人へのばく露低減でリスクを許容できる範囲内に抑制することを事業者に求めています。
汎用性の高い化学物質でさえも、有害性の全てが明らかになっているとは限らず、さらに想定外の新たな有害性が指摘されることもあります。有害性が指摘されているものでも、ヒトへの症例を根拠とする少ない例を除けば、多くは動物実験の結果からヒトへの影響を推定しているものは、ヒトに対してどんな影響があるのか、ということが実証的に確認されたわけではありません。使用される化学物質全体に視野を広げれば、ヒトへの有害性はほとんどがわかっていないということができます。このように考えると、名称を挙げて規制される化学物質は有害性を持つ化学物質の中でも特別の事例といえるでしょう。しかし、化学物質の有害性を必要以上に恐れる必要もありません。リスク管理の考え方は、ばく露量を低減させればさせるほど有害性の影響を抑制することにあります。これから説明する指針類は、作業現場でのリスク管理の手段を具体的に示したものということができます。
労働安全衛生法の指針類は、それを実施していないことだけを理由として法令違反とされることはありませんが、法令違反に問われるかどうかということとは別に、リスクベースの労働衛生管理の基本ということができます。指針類の実施事項は、これまでに説明してきた物質を対象とした政省令のものとほとんど変わりません。このことからも、法規制物質だけに限らずすべての化学物質に対して、労働衛生の見地から予防的にとる対策は同じであることがわかります。

参考として、関連する労働安全衛生法の条文を以下に引用します

第58条
 事業者は、化学物質、化学物質を含有する製剤その他の物で、労働者の健康障害を生ずるおそれのあるものについては、あらかじめ、これらの物の有害性等を調査し、その結果に基づいて、この法律又はこれに基づく命令の規定による措置を講ずるほか、これらの物による労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講ずるように努めなければならない。
2 労働大臣は、第28条第1項及び第3項に定めるもののほか、前項の措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るための必要な指針を公表するものとする。
3 労働大臣は、前項の指針に従い、事業者に対し、必要な指導、援助等を行うことができる。

第28条
 労働大臣は、第20条から第25条まで及び第25条の2第1項の規定により事業者が講ずべき措置の適切かつ有効な実施を図るため必要な業種又は作業ごとの技術上の指針を公表するものとする。
2 労働大臣は、前項の技術上の指針を定めるに当たつては、中高年齢者に関して、特に配慮するものとする。
3 労働大臣は、次の化学物質で労働大臣が定めるものを製造し、又は取り扱う事業者が当該化学物質による労働者の健康障害を防止するための指針を公表するものとする。
一  第57条の3第4項の規定による勧告又は第57条の4第1項の規定による指示に係る化学物質
二 前号に掲げる化学物質以外の化学物質で、がんその他の重度の健康障害を労働者に生ずるおそれのあるもの
4 労働大臣は、第1項又は前項の規定により、技術上の指針又は労働者の健康障害を防止するための指針を公表した場合において必要があると認めるときは、事業者又はその団体に対し、当該技術上の指針又は労働者の健康障害を防止するための指針に関し必要な指導等を行うことができる。

化学物質管理指針

いくつかある指針類のうち「化学物質管理指針」から見ていきます。
この指針は、「化学物質等による労働者の健康障害を防止するため必要な措置に関する指針」として、労働安全衛生法によるSDSの法制化と時を同じくして、労働省から平成12年3月31日に公示第1号として出されました。リスク管理の視点から、有害な化学物質等を製造・取り扱う事業者は政省令等の規定に基づいて管理するだけでなく、自らが有害性等の調査を行い、その結果に基づいて「健康障害防止措置」を講ずるように努めなければならないとしており、そのためには具体的な実施方法が事業場において確立していることが必要となります。リスク管理に必要な危険有害性情報は、法制化されたSDSで伝達され、使用者(購入者)もリスク管理が可能となる条件が整備されたことになります。
法第58条第2項に基づき健康障害防止措置が適切かつ有効に実施されるよう、その原則的な実施事項について定め、事業者による化学物質等の自主的管理を促進し、労働者の健康障害の予防に資することを目的として出されました。事業者は各事業場の実態に即した形で取り組むことが望ましいとされています。以下の事項が事業者に求められています。この指針は、「調査」指針とされていますが、実際は「リスク管理」の指針ですことに留意してください。

  1. 化学物質管理計画の策定等
    • (1) 事業者は、化学物質管理計画を策定し、労働者に周知する
    • (2) 化学物質管理計画には、次の事項を入れる
      • イ 労働安全衛生関係法令・告示等遵守
      • ロ リスクアセスメントの結果に基づいた健康障害防止措置の策定と実施
      • ハ 化学物質等のの適切な管理
      • 二 設備から大量漏えい等が生じた場合の労働者のばく露による健康障害の防止
      • ホ 労働者の健康影響の把握等の健康管理
      • へ その他
    • (3) 事業者は、化学物質管理計画では、衛生委員会の活用等で労働者の意見を反映させる
  2. 有害性等の特定及びリスクアセスメント
    • (1) 取り扱われる化学物質等の、有害性等の特定とリスクアセスメントを実施する。事業者は、化学物質管理者を指名し、有害性等の特定・リスクアセスメントに関する技術的業務を実施させる
    • (2) 化学物質管理者は、有害性等の特定・リスクアセスメントでは、SDSや有害性等の情報を積極的に活用する
    • (3) (2)の情報で、不明確な事項、疑問のある事項等については、提供した者や外部の専門家、専門的な機関等に照会し、解明させるように努める
    • (4) 提供事業者は、化学物質等安全データシート作成者にこれを作成させ、相手方に交付する。法律で義務化されていない物質は、有害性等を調査し相手方に結果を文書等で通知するように努める。
  3. 実施事項
    • (1) 事業者は、化学物質管理計画等で健康障害防止措置の実施事項を特定し実施する
    • (2) 実施事項には、次に掲げる事項を含む
      • イ 次の方法でばく露を防止・低減する措置を構ずる
        • (イ) 作業環境管理
          1. 使用条件等の変更
          2. 作業工程の改善
          3. 設備の密閉化
          4. 局所排気装置等の設置
        • (口) 作業管理
          1. ばく露を防止・低減する作業位置、作業姿勢、作業方法の選択
          2. 呼吸用保護具その他の保護具の使用
          3. 当該化学物質等にばく露される時間の短縮
        • (ハ) 局所排気装置等の管理
          1. 作業が行われている間、有効に稼働させること。
          2. 定期的に保守点検を行うこと。
        • (ニ) 保護具の備え付け等
           保護具は、同時に就業する作業者の人数と同数以上を備え、常時有効かつ清潔に保持する
        • (ホ) 作業規程の作成等
          1. 設備、装置等の操作、調整及び保守点検
          2. 異常な事態が発生した場合における応急の措置
          3. 保護具の使用
        • (ヘ)その他
  4. 労働衛生教育
     化学物質等を製造・取り扱う労働者に、次の事項の労働衛生教育を行う
    • (イ) 名称及び物理化学的性質
    • (ロ) 有害性等、ばく露することによって生じるおそれのある健康障害及びその予防方法
    • (ハ) ばく露を防止し、又は低減するための設備及びこれらの保守点検の方法
    • (ニ) 保護具の種類、性能、使用方法及び保守管理
    • (ホ) 異常な事態が発生した場合の応急措置
    • (ヘ) その他化学物質等による健康障害を防止するために必要な事項
  5. 化学物質等の保管、貯蔵、運搬
     化学物質等が漏れ・こぼれる等のおそれがないように、堅固な容器に入れ、確実な包装を行う。盗用されることのないよう、必要な措置を構ずる
  6. 廃棄・排出するときは、事業場の汚染の防止を図り、事業場外の汚染の防止に配慮する
  7. 設備
     適切な構造・材質の選定、保守点検の励行、作業規程の作成とこれに基づく作業の励行、適切な安全装置の設置等で、溢出等の事故を防止するための措置を構ずる
  8. 事故による化学物質等の大量漏えい等が生じた場合
     避難経路の確保、緊急用の呼吸用保護具等の備え付け、洗眼・洗身の設備の設置等の対策を講じ、定期的な避難訓練などの教育訓練を行う
  9. 監査等
    • (1)事業者は、化学物質管理計画の実施状況について定期的に監査等を行う
    • (2)事業者は、その結果で必要があると認めるときは、化学物質管理計画と実施の改善を行う
  10. 記録
     事業者は、化学物質管理計画の実施状況、監査等の結果等に関し必要な事項を記録し保管する
  11. 人材の養成
     化学物質等安全データシート作成者及び化学物質管理者は、それぞれの専門分野において十分な知識を有していることが必要で、事業者は、これらの人材の養成に努める。

この指針に示されている事項は、前回まとめた労働安全衛生法にもとづく化学物質管理の要素と一致していることがわかります。さらに、安全衛生委員会や安全管理者などの労働安全衛生法による管理の仕組みや職位と関連づけています。Ⅸ(監査等)やⅩ(記録)は、労働安全マネジメントシステム(OSHMS)の要求することでもあります。OSHMSについては次回以降に必要に応じて触れます。具体的な実施事項が、特化則や有機則の求めている事項と同じであるということは、簡単に言えば化学物質を適切に管理するために、事業者がすべきことは化学物質やその有害性によらず、基本的には同じということです。ということは、化学物質の物理的・化学的特性を正しく理解することが重要ということです。多くの化学物質について有害性の詳細がわかっていないので、化学物質の管理は法規制の対象となっている化学物質の管理方法を参考として、同様の手法で管理することが必要であることがわかります。取扱方法に即したリスク管理のためには、有害性を知ることも必要ですが、化学物質の物理的・化学的な特性を理解することが必要です。

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