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第九回 労働安全衛生と化学物質管理

― 有機溶剤中毒予防規則 (有機則) ① ―

日本ケミカルデータベース株式会社
コンサルタント 北村 卓

Ⅰ. 有機溶剤の特徴

有機溶剤はほかの物質を溶かす性質を持ち、液状化した工業原料は極めて取扱いが容易になるために、工業的には様々なプロセスで広く用いられています。溶剤は常温で揮発性が高いものが多く、蒸気は呼吸器を経由して作業者に摂取されやすい性質があります。一般に、高濃度の溶剤蒸気の吸入で急性中毒になり中枢神経系が侵されます。また低濃度であっても長期間にわたって吸入すると、肝臓や造血器などに障害をおこすことがあります。これが慢性中毒です。溶剤の多くは脂肪を溶かす性質があり、皮膚からも体内に浸透しやすくなります。

有機溶剤による職業的な中毒は毎年多くの事例が報告されています。このような有機溶剤の性質を承知して適切な防護策をとれば、有機溶剤中毒を無くすことができるはずですが、現実はその様な防護策を取るには設備投資が必要であったり、保護具の着用は作業性を低下させることから、危険ではあることを承知の上の不適切な使用方法から毎年多くの被害者を出しているのが現実です。

有機溶剤中毒予防規則では、このような不適切な取扱い方法をしないようにするために、多くの規制事項を定めています。

以下に、有機則の規制事項を整理しますが、一つ一つの規制事項を字句どおりに守るだけでなく、何のためにその様な規制が制定されているのか、という点を考えて、自主的な安全活動にすすめて頂きたいと思います。

Ⅱ. 有機溶剤中毒予防規則で用いられている用語 (第1条)

  • 有機溶剤・有機溶剤等の定義 (第1条)
    1. 有機溶剤 労働安全衛生法施行令別表第六の二に掲げる有機溶剤で、54種類あります。
    2. 有機溶剤等 混合物で有機溶剤を5%を超えて含有するものです。
    3. 第一種有機溶剤 令別表第六の二のうち、7種類の二硫化炭素と塩素系溶剤とそれらを重量の5%を超えて含有するものです。
    4. 第二種有機溶剤等  別表第六の二のうち40種類の溶剤とそれらを重量の5%を超えて含有するものです。種類も多く汎用性の高い溶剤が多いので、有機溶剤中毒の多くは第二種有機溶剤に由来しています。
    5. 第三種有機溶剤等 有機溶剤等のうち第一種有機溶剤等及び第二種有機溶剤等以外の物で、石油ナフサなどの石油系の溶剤7種類です。
  • 有機溶剤業務の定義 (第1条)
    有機則では化学物質(溶剤)を指定するだけでなく、どのような形で使用されているか、(=業務)という点にも配慮する必要があり、以下の12種類を有機則の対象業務としています。溶剤を用いる屋内作業のほとんどが対象となるものと考えていいでしょう。屋外の作業は有機則の対象となっていませんが、このような場合でも溶剤の毒性や健康有害性に注意しなければならないのは言うまでもありません。
    1. 製造工程でろ過、混合、攪拌、加熱、容器・設備への注入
    2. 染料、医薬品、農薬、化学繊維、合成樹脂、有機顔料、油脂、香料、甘味料、火薬、写真薬品、ゴム・可塑剤と中間体製造工程でのろ過、混合、攪拌、加熱
    3. 印刷
    4. 文字の書込み・描画の業務
    5. つや出し、防水その他物の面の加工
    6. 接着のための塗布
    7. 有機溶剤等を塗布された物の接着
    8. 洗浄・払しよく
    9. 塗装
    10. 有機溶剤等が付着している物の乾燥
    11. 試験・研究
    12. 有機溶剤等を入れたことのあるタンクの内部における業務
    有機則は家庭用品からの消費者の化学物質へのばく露は、対象とされていませんが、上に書かれた用途は、家庭用品にも当てはまるものがあります。
  • 適用の除外 第2条
    有機則では、使用の実態を踏まえて多くの適用除外があります。設備や換気装置の性能等に関する事項、有機溶剤作業主任者に関する事項、有機溶剤の使用に当たっての掲示・表示に関する事項、保護具に関する事項などについて詳細が定められていますが、
    1. 屋内作業場等(タンク等の内部以外)で、一時間に消費する有機溶剤等の量が、有機溶剤等の許容消費量を超えないとき。
    2. タンク等の内部の作業では、一日に消費する有機溶剤等の量が有機溶剤等の許容消費量を超えないとき。
    のように、極めて少量の溶剤しか用いない場合にしか適用されません。

Ⅲ. 有機溶剤の製造・取扱いに求められる要件

有機溶剤中毒を予防するためには、作業者が溶剤の蒸気を吸入しないことが第一で、そのために取扱い装置の密閉化、局所排気装置、プッシュプル換気装置(以下、この二つをまとめて「局所排気装置等」と記します。)、全体換気装置などの使用が定められています。

  • 第一種有機溶剤等又は第二種有機溶剤等に係る設備 (第5条)
    有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置等が必要です。
  • 第三種有機溶剤等に係る設備 (第6条)
    発散源を密閉する設備、局所排気装置等、全体換気装置が必要です。
    タンク等の内部で、吹付けによる有機溶剤業務を行う作業場所には、発散源を密閉する設備、局所排気装置等を設けなければなりません。
  • 適用除外・特例
    局所排気装置等の設置使用に関して、適用除外や特例措置が定められています。
    その作業場で常時行われているわけではない作業のために、局所排気装置等を設備として導入することが難しい場合に関するもので、換気効果の低い全体換気でも可としていますが、同時に送気マスクの併用が定められているように、排気装置や換気装置の使用と同等のぱく露防止策をとることがその条件になっていることをわすれてはならないでしょう。
    1. 屋内作業場の周壁が開放されている場合の適用除外 (第7条)
    2. 臨時に有機溶剤業務を行う場合の適用除外等  (第8条)
    3. 短時間有機溶剤業務を行う場合の設備の特例 (第9条)
    4. タンク等の内部で有機溶剤業務に要する時間が短時間で、送気マスクを備えたとき
    5. 局所排気装置等の設置が困難な場合における設備の特例 (第10条)
    6. 他の屋内作業場から隔離されている屋内作業場における設備の特例 (第11条)
    7. 代替設備の設置に伴う設備の特例 (第12条)
    8. 労働基準監督署長の許可に係る設備の特例 (第13条)

Ⅳ. 排気・換気装置の要件定

  • 局所排気装置の性能 (第16条)
    有機則で定める性能(制御風速)の要件は以下のとおりです。
    • 囲い式フード 0.4m/sec
    • 外付け式フード   側方吸引型 0.5 m/sec、下方吸引型 0.5 m/sec、上方吸引型 1.0 m/sec
  • プッシュプル型換気装置の性能 (第16条の2)
    厚生労働大臣が定める構造及び性能(平成16年3月19日 基発0319008号)を有するもの
  • 全体換気装置の性能 (第17条)
    全体換気装置は、有機溶剤の種別ごとに、作業時間一時間に消費する有機溶剤等の量(単位g)に係数をかけた能力(立方m/min)の換気量を合算した量)を出し得る能力を有するものでなければなりません。
  • 換気装置の稼動方法 (第18条)
    1. 局所排気装置は、有機溶剤業務に従事する間、制御風速以上の制御風速で稼働させる。
    2. プッシュプル型換気装置は、有機溶剤業務に従事する間、厚生労働大臣が定める要件を満たすように稼働させる。
    3. 全体換気装置 有機溶剤業務に従事する間、必要とする換気量以上で稼働させる。
    4. 局所排気装置等、全体換気装置は、バッフルを設けて換気を妨害する気流を排除する等有効に稼働させるために必要な措置を講じる。
  • 排風機等 (第15条)
    1. 空気清浄装置が設けられている局所排気装置の排風機は、清浄後の空気が通る位置に置く。
    2. 全体換気装置の送風機・排風機は、有機溶剤の蒸気の発散源に近い位置に設る。
  • 排気口 第15条の2
    1. 局所排気装置等、全体換気装置の排気口は直接外気に開放する。
    2. 空気清浄装置を設けていない局所排気装置等の排気口の高さを屋根から1.5m以上とする。

Ⅴ. 作業管理に関する事項

  • 掲示 (第24条)
    有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、次の事項を容易に知ることができるよう、見やすい場所に掲示する。
    1. 有機溶剤の人体に及ぼす作用
    2. 有機溶剤等の取扱い上の注意事項
    3. 有機溶剤による中毒が発生したときの応急処置
  • 有機溶剤等の区分の表示 (第25条)
    有機溶剤等の区分を、作業中の労働者が容易に知ることができるよう、色分け及び色分け以外の方法により、見やすい場所に表示する。
    1. 第一種有機溶剤等 赤
    2. 第二種有機溶剤等 黄
    3. 第三種有機溶剤等 青
    掲示や表示で、労働者が取扱う溶剤を十分承知することが重要であることは論を待ちませんが、その内容を適切に理解するためには、繰り返しの教育・訓練が必要です。

Ⅵ. 管理体制に関する規定

  • 有機溶剤作業者
    1. 有機溶剤作業主任者の選任 (第19条)
      技能講習を修了した者のうちから、有機溶剤作業主任者を選任します。
    2. 有機溶剤作業主任者の職務 (第19条の2)
      • 労働者が有機溶剤により汚染・吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮します。
      • 局所排気装置等・全体換気装置を一月を超えない期間ごとに点検する。
      • 保護具の使用状況を監視する。
      • タンクの内部の有機溶剤業務では、第26条各号に定める措置が講じられていることを確認する。
    3. 作業主任者を選任すべき作業の対象場所 (施行令第6条、有機則第1条第2項)
      健康診断を必要する場所も同じです。
      • 船舶、車両、タンク、ピツト、坑、ずい道、暗きよ又はマンホール、箱桁、ダクト、水管の内部
      • 屋内作業場
      • 通風が不十分な場所
  • 事故の場合の退避等 (第27条)
    事故などで有機溶剤による中毒発生のおそれのあるときは、直ちに作業を中止し退避させ、汚染が除去されるまで立ち入らせてはなりません。但し、安全な方法で人命救助・危害防止に関する作業をさせるときは除きます。
    例えば、次のような場合です。
    • 換気するために設置した局所排気装置等、全体換気装置の機能が低下/失われたとき。
    • 有機溶剤等により汚染される事態が生じたとき。
  • 有機溶剤等の貯蔵 (第35条)
    屋内に貯蔵するときは、こぼれ・漏えい・しみ出し・発散のおそれのないふた/栓をした堅固な容器を用い、次の設備を設ける。
    1. 関係労働者以外の労働者がその貯蔵場所に立ち入ることを防ぐ設備
    2. 有機溶剤の蒸気を屋外に排出する設備
    有機溶剤の貯蔵方法に関しては、消防法や毒劇法の規定に従うことも求められます。
  • 空容器の処理 (第36条)
    空容器で有機溶剤の蒸気が発散するおそれのあるものは、容器を密閉するか、屋外の一定の場所に集積します
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