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化学製品(物質)の輸出入業務と外為法 第5回

日本ケミカルデータベース株式会社
コンサルタント 北村 卓

 これまでは、別表第一の規制品目を見てきましたが、輸出令ではその他に「別表第二」と「別表第二のニ」の二つがあります。後者は北朝鮮向けの貨物の規制であり、わが国から北朝鮮への輸出は原則として禁止されていますので、申請をしても特別の事情が無ければ承認は得られないものと考えることができます。

Ⅴ 別表第二による規制(承認)

 別表第一は武器・兵器に関する品目の規制でした。輸出令別表による化学物質の規制は、国内の他の法規とと同様に環境の汚染や人の健康に重大な危害を及ぼす可能性のある化学物質への規制と考えることができます。ここでは、輸出令別表第二に記されている規制物質とそれの根拠となる国内法あるいは条約や国際的な取り決めとの関係を見ていきます。

Ⅴ-1 麻薬及び向精神薬取締法 (別表第二 項番 21の3)

 麻薬及び向精神薬の不正取引の防止は、国際連合条約において国際的に規制され、国内では麻薬及び向精神薬取締法が担保しています。現在18物質が「麻薬向精神薬原料」に、その中でも10物質が「特定麻薬向精神薬原料」に指定されています。 麻薬向精神薬原料の輸出入手続きは、「業とする」場合と「業としない」場合で異なりますが、業としないのはほとんどが個人の輸出入の場合と見なされているようです。業とする場合でも、輸出入業者業務届だけでなく特定麻薬向精神薬原料では輸出入の都度、届出が必要です。
麻薬向精神薬原料には、トルエン・アセトンなどの汎用の化学物質があり注意が必要です。規制の適用に濃度に下限値が設定されているものがあります。

Ⅴ-2 オゾン層破壊物質に関するモントリオール議定書 (別表第二 項番 35)

 モントリオール議定書の附属書A(グループⅠ、Ⅱ)、附属書B(グループⅠ、Ⅱ、Ⅲ)、附属書C(グループⅠ、Ⅱ、Ⅲ)、附属書Eにあげられている全ての物質が対象です。
 化学製品として容器に入っている状態で規制の対象となりますが、冷蔵機器中の冷媒、消火器に充填されている状態、エアゾールの噴射剤のように製品に組み込まれた状態では、別表第二には適用されません。

Ⅴ-3 バーゼル法、廃棄物処理法 (別表第二 項番 35の2)

 バーゼル条約は、有害廃棄物の越境移動に対して輸出時の許可制や輸出先国への事前通告と同意を求めています。また、輸出先国で環境上適切な処分がされないと判断される場合は、輸出時に許可しないことになっています。そのため、再生資源などの輸出にあたっては、バーゼル条約の特定有害廃棄物であるかどうかの判断が必要になります。
 バーゼル法の、別表第一(原則として規制対象にならない物)、別表第二(原則として規制対象になる物)、別表第三(規制対象になる物)に、規制対象の判断基準が記されていますが、どのような物質を含有しているかだけでなく、その貨物の状態からも該非が判定されます。同じ化学物質・元素の名称が異なった別表に出てきますので、バーゼル法別表を正確に読み取ることが必要です。
 なお、日本の廃棄物処理法では、有害か無害かを問わず、この法律の「廃棄物」に該当する貨物の輸出では、環境大臣の確認が必要であることに注意が必要です。
 バーゼル条約に関しては、廃棄物の処理能力を持たない途上国や移行経済国で、先進国から中古品として廃電気電子機器類が直接にあるいは第三国を経由して持ち込まれることが大きな問題となっています。

Ⅴ-4 ロッテルダム条約 (PIC条約) (別表第二 項番 35の3 第一号)

 別表第二に、条約対象物質の全てがリストされています。わが国には、PIC条約を担保する単独の法律はありませんが、附属書掲載の43物質は、化学物質審査規制法(化審法)の第1種特定化学物質(16物質)、労働安全衛生法の禁止物質(6物質)、毒物及び劇物取締法(毒劇法)の特定毒物(10物質)、農薬取締法の販売禁止農薬(21物質)などの規制対象でもあり(一部重複)、製造・販売にあたっては国の許可や届出などが必要です。

Ⅴ-5 農薬取締法 (別表第二 項番 35の3 第二号)

 農薬登録後に成分物質が環境や人畜への影響が危惧されることがわかると、登録を取り消されることがあります。別表第二ではそのような成分(化学物質名称; 6種)をあげ、経済産業大臣告示で輸出承認が必要としています。この告示にあげられた物質以外の化審法第一種特定化学物質を含有する農薬もまた承認の対象です(後記; 別表項番 35の3 第六号)。しかし、このような成分をもつ農薬はもはや市場に流通していないので、例えば古い在庫品を輸出しようとする場合を除いてその様な事態は起こらないものと思われます。

Ⅴ-6 毒劇法 (別表第二 項番 35の3 第三号)

 毒劇法では、急性毒性が極めて強い毒物を特定毒物にしています。輸出令別表第二では、全ての特定毒物が輸出承認を必要とする貨物に指定されています。
 特定毒物は、学術研究用でしか取り扱うことができませんし、販売者だけでなく使用者(研究者)も都道府県知事の許可を必要とし、さらに研究者は政令で定めた用途以外に使用することができませんので、誤って特定毒物が輸出されることはほとんど考えられません。

Ⅴ-7 薬事法 (別表第二 項番 35の3 第四号)

 薬事法の医薬部外品に該当する医薬および医薬部外品で、経済産業大臣が告示で定め化学物質が規制の対象とされていますが、該当する化学物質はいずれも過去に殺虫剤として使われていた化審法の第一種特定化学物質です。

Ⅴ-8 労働安全衛生法 (別表第二 項番 35の3 第五号)

 労働安全衛生法施行令第16条にある製造禁止物質は輸出承認を必要とします。これらの物質の製造には許可を必要としていますので、これらの物質を誤って輸出することはほとんど考えられないでしょう。

Ⅴ-9 化審法 (別表項番 35の3 第六号)

 化審法は第一種特定化学物質として、国際的には難分解性蓄積性物質を規制するストックホルム条約を担保しているので、第一種特定化学物質を輸出しようとする場合には、輸出の承認を必要とします。
 化審法の改正前は、第一種特定化学物質は実質的に製造禁止で、国内生産がなかったので輸出はありえなかったのですが、改正により一部の第一種特定化学物質は極めて制限された用途ではあっても、使用が可能となり第一種特定化学物質の輸出も想定できるようになりました。

Ⅴ-10 麻薬及び向精神薬取締法、大麻取締法、覚せい剤取締法 (別表項番 42)

 別表項番21の3では、麻薬・向精神薬原料が規制されていましたが、この項番42では、麻薬・大麻・あへん・覚せい剤が規制され、それとともに覚せい剤の原料もまた規制されています。覚せい剤原料は独特な化学構造を持つものが多いので、気づかずに覚せい剤原料を輸出することは無いでしょう。承認を受けずに輸出すればそれは意図的なものと見なされる可能性が高いと思われます。

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