専門商社 様
2006年にGHSが実施されることを受け、GHS対応SDSの作成、ラベル要素の出力などの業務をJCDBへ一括して委託いただくこととなった。
ご利用いただいているサービスについて教えてください。
社内業務の軽減化を図るため、大幅なアウトソーシングをお願いしました。
導入いただいているサービス:「GHSロジスト」とその運用の請け負い(SDS作成、及びラベルデータ発行まで)、「ezCRIC」
化学品の法規制チェックのために従来からezCRIC をご利用いただいている。2006年にGHSが実施されることを受け、GHS対応SDSの作成、ラベル要素の出力などの業務をJCDBへ一括して委託いただくこととなった。
弊社は現在、ざっと5~6,000くらいの品目を扱っていますが、これをCASに置き換えると数万にも及びます。中でも化学物質の輸入品目がたいへん多く、CAS番号で二千数百件くらいになるんですね。それに伴って作成するSDSの数もかなりの量に上り、膨大な作業量となります。そこで輸入品についてはJCDBさんへまとめてお願いすることにしました。ここでのポイントは、SDSの作成やGHS対応のラベルデータ作成をすべてJCDBさんにお任せする「包括契約」という形を採っているということ。SDS作成については通常の個別作成となる「SDS作成受託サービス」ではなく、月間あたり数十件の複数作成ベースでお願いし、トータルコストの引き下げにご協力いただいています。また、GHSロジストも社内に置くのではなく、JCDBさんで運用していただいて、その結果を納品してもらうという形態を採っています。
通関には和文のSDSが不可欠であると伺っています。
タイムラグのない、スムーズな通関にはかかせません。
通関時には薬物関連法や毒劇(毒物及び劇物取締法)など、貿易関連以外の法律にも抵触するかどうかのチェックをするために税関へSDSを提出しています。これは輸入時に添付されてくる英文のSDSで良い場合も多いのですが、時として判定しにくい場合など、和文のSDSを要求されることがあるんですね。ところが追加で和文SDSを作成するとなると、それまでの間、輸入手続きが一旦ストップしてしまいます。そこで税関からの要求の有無にかかわらず、和文のSDSを必ず作成するようにしています。
すべてのケースで和文のSDSを作成するというのは一見ムダなようにも思えますが、そうではありません。実は通関後にもたいへん役立っているんですよ。通関が無事完了すると、次は出荷まで製品を保管・格納しておく必要があります。可燃性や放射性などの場合は特にそうなのですが、化学物質は保管にあたっても日本の国内法規にどう抵触するかを必ず確認しなければなりません。その際に役立つのが和文のSDSとラベルです。どういう法規に抵触するか、どういう保存の仕方をしなければならないかが日本語ですべて記載されていますので、それを見れば誰でも適切な対応ができるというわけです。スタッフの全員が英語に堪能とは限りませんからね。
スムーズなラベル添付の実現までには苦労がおありだったとか。
印刷済のラベルを特急で届けていただいたこともありました。
以前は一般的に手に入るラベル用紙やプリンターがともに質が良くなかったため、必要枚数分プリントしたラベルをJCDBさんに届けていただく、という形態を採っていました。SDSラベルは通関許可が出ると同時に貼らなければなりません。それがないことには保税エリアから製品を動かすことができませんから、「明日600枚必要になったから急いでプリントして最速で送って欲しい」というようなムチャなお願いをしたこともありました。保税倉庫に置いておくだけでもけっこうな保管料がかかりますからね。今ではラベルデータをインターネット経由でお送りいただいて、データベースへアップロードすることで、保税エリアに近い場所でプリントして、すぐに貼ることができるようになりました。作業性が格段に上がりましたから、まさに隔世の感がありますね。
緊急でラベルが必要になる場合もあると伺いました。
専任研究員の方が迅速な対応をしていただけるのでとても助かります。
弊社の場合、即時輸入・即時供給が必要となるケースが時折発生します。そうした緊急時の対応をにらみ、営業担当者とは別に、弊社専任の研究員の方を1名、JCDBさんの社内に配置していただきました。通常はメールでのやり取りですが、緊急時は電話で研究員へ直接連絡を入れて対応していただいています。
急ぎの通関が必要になる商品の場合、輸出元から事前にSDSの情報を受け取って、貨物の到着前に先行してラベルを作成しておきます。ところが、最新のSDS情報を送ってもらってラベルを作成しておいたにもかかわらず、貨物が着いていざラベルを貼ろうとしたら、なんとさらに新しいバージョンのSDSが付いていた…ということがありました。
全世界的に環境基準が厳しくなっていることもあり、わずかひと月前に輸入したものと、今回輸入したものとのSDSが異なっている、というようなケースはたまにあるんですよ。
そういうときは専任の研究員をお願いしていてよかった、と思う瞬間ですね。専任なだけに迅速なご対応をいただけるため、ほんとうに助かっています。不思議なもので、重なるときは重なるものですから (笑)。
今後の課題について教えてください。
化審法に基づく届出を合理化していきたいと考えています。
現在、化審法に基づく届出については基本的に社内で対応しているのですが、2名体制で臨んでも3ヶ月近くかかっています。それだけに専念するというわけにもいきませんので、どうしても時間がかかるんですね。もっとも、以前ははるかに大変でした。なにしろ化学物質は液体の場合もあれば固形の場合もある上に、単位がまちまちですからね。リッターでくるものもあれば、ガロンやクォート、ポンドなど、さまざまな単位で入ってきますから、それをグラムに換算するところから始めなければならなかったのです。今はJCDBさんから「この製品にはこの化学物質がこれだけ含まれている」というリストを出していただいていますので、ずいぶんラクになりました。ゆくゆくはJCDBさんのお力を借りて、届出の業務をさらに合理化していければと思います。