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SDSガイド

化学物質等安全データシート(SDS(Safety Data Sheet))とは?

労働安全衛生法などが指定する
危険有害性を有する化学物質および
それを一定以上含む混合物について
SDSの提供が義務付けられています。

SDS(安全データシート)は、化学品の安全な取り扱いを目的として、化学物質の特定情報、危険有害性、安全対策、緊急時対応などを詳細に記載した文書です。GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)に準拠しており、労働安全衛生法等の法令に基づき、事業者間の取引時における提供が義務化されています。これは、現場における労働者の安全と健康を確保するための基盤となる重要な資料です。

SDS提供例

化学物質(製品)等の性状および取り扱いについての情報を記載します。取引先の事業者からSDS(MSDS)の提供を受けることにより、事業者は自らが使用する化学物質についての正しい情報を入手し、化学物質の適切な管理に役立てることができます。

経産省パンフレット(化管法・安衛法・毒劇法におけるラベル表示・SDS提供制度)9頁より
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/131003-01-all.pdf

SDS対象化学物質

主に以下の3つの法律(SDS3法)により、対象物質を譲渡・提供する際のSDS提供が義務付けられています。

法律名目的対象物質主な義務
労働安全衛生法
(安衛法)
労働者の安全・
健康の確保
通知対象物
(令和8年4月時点で約2300物質。以降順次拡大予定)
SDS提供、ラベル表示
リスクアセスメント実施
化学物質排出
把握管理法
(化管法/PRTR法)
有害物質の環境への排出抑制第一種指定化学物質(515物質)、第二種指定化学物質(134物質)SDS提供
(ラベル表示は努力義務)
毒物及び劇物
取締法(毒劇法)
保健衛生上の見地からの急性の毒物・劇物の取締り毒物、劇物として指定されたすべての化学物質(総称指定を含めて約500物質)SDS提供、ラベル表示

リスクアセスメントの実施とリスク低減措置の義務化について
2016年の労働安全衛生法(安衛法)改正により、通知対象物および表示対象物(これらを総称して「リスクアセスメント対象物」)を取り扱う事業者は、業種や規模を問わず、リスクアセスメントの実施が義務付けられました。
さらに、2023年4月の改正法施行により、リスクアセスメントの結果に基づき、危険有害性の除去または低減措置(危険有害性の低い物質への変更、設備改善、作業手順の変更、保護具の使用など)を講じることが義務化されました。
また、2024年4月からは、厚生労働大臣が濃度基準値を定めた物質について、労働者のばく露レベルを濃度基準値以下に抑えることが追加で義務付けられています

SDS関連JIS規格の改訂

SDS作成に関する3法共通のプラットフォームとして、下記2つのJIS規格に準拠することが求められます。

JIS Z 7252(GHSに基づく化学物質等の分類方法)
JIS Z 7253(GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法-ラベル、SDS)

JIS Z 7252:2019とJIS Z 7252:2019は「国連GHS文書改訂第9版」に基づいて改訂され、 2025年12月に新たに 「JIS Z 7252:2025」および「JIS Z 7253:2025」として発行されました。

暫定措置として2030年12月24日までは、JIS Z 7252:2019とJIS Z 7252:2019に従ってもよいとされていますが、できるだけ遅滞なく、新たに発行された「JIS Z 7252:2025」および「JIS Z 7253:2025」に準拠したSDSを提供することが推奨されます。

SDS 16項目の構成と記載内容

基本情報

  • 1

    化学製品及び会社情報

    製品名(商品名)、会社名、住所、電話番号、緊急連絡先、推奨用途および使用上の制限

  • 2

    危険有害性の要約

    GHS分類結果(区分)、ラベル要素(絵表示、注意喚起語、危険有害性情報、注意書き)

  • 3

    組成及び成分情報

    単一物質/混合物の区別、化学名または一般名、含有量(濃度)、CAS番号、官報公示整理番号(化審法・安衛法)

緊急・安全対策

  • 4

    応急措置

    吸入した場合、皮膚に付着した場合、目に入った場合、飲み込んだ場合の処置、および予想される急性症状と遅延性症状

  • 5

    火災時の措置

    消火剤(適切なもの・不適切なもの)、特定の危険有害性(燃焼時の有害ガスなど)、消火を行う者の保護具

  • 6

    漏出時の措置

    人体に対する注意事項(保護具)、環境に対する注意事項、封じ込め及び浄化の方法

  • 7

    取扱い及び保管上の注意

    取扱い: 局所排気、安全取扱い注意事項(接触回避など)
    保管: 適切な保管条件、混触危険物質、容器の材質

  • 8

    ばく露防止及び保護措置

    許容濃度、管理濃度、厚生労働大臣が定める濃度の基準、設備対策、保護具(呼吸用保護具、手袋、眼鏡、保護衣)

物性・規制情報

  • 9

    物理的及び化学的性質

    外観(色・状態)、臭い、pH、融点、沸点、引火点、爆発範囲、蒸気圧、密度、溶解度、n-オクタノール/水分配係数、自然発火温度、分解温度、粒子特性(粉体の場合)など

  • 10

    安定性及び反応性

    反応性、化学的安定性、避けるべき条件(加熱、衝撃など)、混触危険物質、有害な分解生成物

  • 11

    有害性情報

    急性毒性、皮膚腐食性・刺激性、眼損傷性・刺激性、感作性(呼吸器、皮膚)、生殖細胞変異原性、発がん性、生殖毒性、特定標的臓器毒性(単回・反復)、誤嚥有害性

  • 12

    環境影響情報

    水生環境有害性(短期・長期)、残留性・分解性、生体蓄積性、土壌中の移動性

  • 13

    廃棄上の注意

    残余廃棄物(製品自体)および汚染容器・包装の廃棄方法

  • 14

    輸送上の注意

    国連番号、国連分類(クラス)、容器等級、海洋汚染物質(該当・非該当)、IMOによるばら積み輸送される物質(汚染分類)、国内規制(陸上・海上・航空輸送)

  • 15

    適用法令

    SDS3法(安衛法、化管法、毒劇法)、消防法、化審法などの国内法規制への該当状況

  • 16

    その他の情報

    参考文献、作成・改訂日、準拠規格(JIS Z 7253:2025など)、免責事項

SDS関連法の改正と自律的化学物質管理への移行

安衛法等の改正により、従来の「国が指定した特定の物質を管理する」仕組みから、「企業が自律的にリスクを判断・管理する」体制への転換が加速しています。主な改正ポイントは以下の通りです。

  • 対象物質の大幅な拡大

    これまでの約900物質から、令和8年(2026年)4月までに約2,300物質へと段階的に拡大。令和9年以降も順次追加され、最終的には「危険性・有害性を有するすべての化学物質」が対象となる予定です。

  • SDS情報の定期的な確認・更新の義務化

    最新の有害性情報を維持するため、SDSの内容を「5年以内ごと」に確認し、変更がある場合は速やかに更新・通知することが義務付けられました。

  • 「化学物質管理者」の選任義務化

    リスクアセスメント対象物を製造・取り扱うすべての事業場において、管理の司令塔となる「化学物質管理者」の選任が必須となりました。

  • SDS伝達方法の柔軟化

    書面や磁気ディスクに加え、二次元コード(QRコード)の提供やWebサイトのURL通知、電子メールによる送信などのIT活用が正式に認められました。

  • デジタル化による情報共有の迅速化

    SDSデータの標準化が進み、サプライチェーン全体での迅速な情報開示と、デジタル化による効率的な管理体制への移行が推奨されており、当社もデジタル化に向け取り組み中です。

  • 実効性の担保と罰則の強化

    「自律的管理」の実効性を高めるため、SDS通知義務違反や虚偽報告に対する罰則規定が厳格化されました。(6カ月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)

  • 営業秘密(秘匿)ルールの厳格化

    成分名を非公開とする際の代替化学名の使用について、透明性と安全性の観点から一定の制限とルールが設けられました。

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